今回ご紹介する「三田会にゆかりのあるM&A専門の投資銀行家in Singapore」は、柴田優(しばた まさる)さん。1989年に経済学部を卒業され、2015年末に来星。現在シンガポールと鎌倉をベースに、シンガポールに拠点を置くM&A専門アドバイザリーTC Capitalにて、Partner兼Managing Directorを務められています。そんな柴田さんに、先日取材チームがShenton WayにあるOfficeでお話を伺ってきました。柴田さんは、大学卒業後Goldman SachsのM&A部に入社しNew Yorkと東京をベースに勤務され、2001年には同社Managing Director(MD)に就任、その後Lehman BrothersとJP MorganでもM&A統括MDを務められ、JP Morganでは同社副会長に就任され、世界の投資銀行のTOP Leadershipポジションを歴任されました。その後、ジュネーブとロンドンをベースに、日本企業の買収先欧州事業の経営に参画され、アジア太平洋地域での経営も支援するためシンガポールに拠点を移し、現在はアジア最古参のTC Capitalで創業者2人と一緒に経営にあたっています。日本人として、M&Aアドバイザリー草分け的存在であり、東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学にて講義もされています。多くの新卒大学生が就職を希望する、最難関といってもいい米国投資銀行。今脚光を浴びるM&A。それもグローバルLeaderとしてのキャリアを築かれたベースは何か、恐らく大学時代のサークルとゼミ活動が原点だったのではとのお話になりました。サークルは、俳優中村雅俊さんを輩出した慶應英語会(KESS)のドラマ部。俳優別所哲也さんは一年先輩で、日吉の噴水の前で一緒に稽古していたそうです。ゼミは、アメリカから帰国されたばかりの島田晴雄先生のゼミに所属し、サークルもゼミも海外志向が強かったそうです。慶應義塾に入学した1985年はプラザ合意があり、日本が世界で躍進し、多くの人が外向きで、留学や海外で仕事を求めた時代。1986年には外国証券会社への日本での証券業務も解禁となった金融変革の時代でもあり、面白そうなのでゴールドマン証券M&A部のアジア新卒一号として入社されたそうです。それから約35年たった今も、ここシンガポールにて、最前線でM&Aアドバイザリーをされています。今はシンガポールらしいボーダーレスなクロスボーダー取引、例えばインドネシアの会社による中東からの資金調達や、ヨーロッパのファミリーオフィスがシンガポールを拠点に欧米で投資を行うなど、ダイナミックな仕事が多く、シンガポールにいると世界につながることを実感されているそうです。また、今注目を浴びているSustainability関連の投資では、若いベトナム人やミャンマー人とともにチームを組んで新興国での仕事が多いとのこと。昨今、組織から個人、グローバルな時代にキャリアをどうするか、どう生きるか脚光を浴びるなか、「個人が志をもって、自分の手に職をもっていれば、国境関係なくグローバルにPlayすることができる」とのコメントが印象的でした。柴田さん、取材どうもありがとうございました!三田会にゆかりのある〇〇in Singaporeで、こんな方を取材してはというアイデアがありましたら、取材チームまでご一報下さい。 取材チーム(アイウエオ順)磯田誠一郎、今泉寛(Lead)、酒井祐輝、田代いくえ、常木佳子(サポーター)、新村博道、宮本敬太