今回ご紹介する「三田会にゆかりのある起業家 in Singapore」は、中村壮秀(なかむらまさひで)さん。1997年に理工学部を卒業後、住友商事、ゴルフダイジェスト・オンラインを経て、2005年にアライドアーキテクツ株式会社を創業。2021年に来星されています。デジタルマーケティングの最前線を走り続けてきた中村さんに、先日取材チームがインタビューを行いました。https://www.aainc.co.jp/インターネットとの出会い、そして起業へ中村さんの転機は、大学時代にインターネットに触れたことでした。大学在学中、黎明期のインターネットの可能性に魅了された中村さんは、卒業後もインターネットに関わる仕事がしたいと強く願っていました。「大学時代は、できたばかりのワークステーション室でパソコン通信やウェブサイト制作に熱中していました。当時はまだ珍しかったホームページを作って、友人に見せていましたね。インターネットが世界を変える、そんな予感がしていました」卒業後、住友商事に入社。小売業を担当する中でも、テクノロジーの可能性を信じていました。「小売業をどうテック化するかに夢中でしたね。テクノロジーを活用したレジの会社を見つけてきて、投資事業部に紹介したりもしていました」その後、ゴルフダイジェスト・オンラインの創業に社員第一号として参画。ゴルフ×インターネットという、当時としては斬新なビジネスモデルに挑戦しました。「ゴルフダイジェストというブランドが好きだったんです。雑誌社にインターネット部門としてやらせてほしいと直談判しました」時、多くの人々がインターネットで物を購入することに懐疑的でしたが、中村さんはその可能性を信じ、積極的にビジネスに取り入れようとしました。同社は2004年に東証マザーズ上場(現在は東証プライム上場)し、インターネットが単なる一過性の流行ではなく、将来のビジネスにおける基盤であると中村さんは確信します。そして2005年、アライドアーキテクツを創業。ソーシャルメディアの黎明期をいち早く捉え、企業のマーケティング活動を支援し、2013年に東証マザーズ上場を果たしました。海外事業への挑戦と、その壁現在、アライドアーキテクツグループは2014年にシンガポール拠点を立ち上げ、中村さんも日本と行き来をしながら経営を行っています。シンガポールは、法的な安定性があり、契約や知的財産の保護がしっかりしているため、日本企業が安心してビジネスを展開できる環境が整っている。さらに、多様な人種が集まるシンガポールは、マーケティングの展開においても優位性を持つ場所であり、アジア市場全体を見据えた戦略を立てる上で最適な拠点だとしています。「これから日本企業は外貨を稼ぐことがテーマになってくると考えます。ただ、日本の企業は、海外の顧客を獲得することに慣れていません。言語の壁、文化の違いなど、乗り越えなければならない課題は多いです」そうした中で、AIの登場によって海外の決算資料なども簡単に読めるようになり、中堅中小企業でも海外進出のチャンスが転がっていると話していました。終わりなき旅を続けるために中村さんは、自身の経験から「冒険に参加することの重要性」を強調します。「多くの人は、冒険に参加せず傍観しているだけ。しかし、一歩踏み出して挑戦することで、初めて見える景色があります」そして、これから新たな挑戦を始めようとしている人に向けて、こうエールを送ります。「まずは、自分がどの冒険に挑むのかを決めて下さい。そして、その冒険に没頭してください。そうすれば、きっと道は開けるはずです」中村さん、取材どうもありがとうございました!三田会にゆかりのある〇〇in Singaporeで、こんな方を取材してはというアイデアがありましたら、取材チームまでご一報下さい。 取材チーム(アイウエオ順)荒地竜資、岩坂真聖